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気になる邦楽アルバムを中心に音楽レビューをしていました。

 

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大森靖子「魔法が使えないなら死にたい」 

魔法が使えないなら死にたい
大森靖子「魔法が使えないなら死にたい」
愛媛出身、現在は東京で活動する女性SSW、大森靖子の1stフル。
ここ2,3年、女性アイドル戦国時代の陰に隠れがちですが、それとは対極の存在とも言える個性派SSWのシーンがかなり熱いです。具体的には、平賀さち枝、転校生、YeYe、Predawn、Babi等々、歌姫と呼ばれるほどのオーラはなく見た目は普通の女の子ながら、その内に秘めた独自の世界観は各々がユニーク。その中で彼女は"激情派ガーリーシンガー"とも称されており椎名林檎の系譜に入ると思います。(ジャケットはオマージュの域ですし。)最近でも林檎系は、小南泰葉、植田真梨恵、渋沢葉、惑星アブノーマル、黒木渚等が思い当たり、かなりの激戦区になっている気がするのですが、今作はその中でも最上位ランクに入る名盤だと思いました。

まずアルバムタイトルからしてインパクトがあります。アイドルへの憧れもある田舎者の少女が出した一つの結論とでも言いますか、他の女の子には使えて自分にだけ使えない魔法があるような気がしたことが由来のようです。かまってちゃんなのかとも思いましたがそれ以上に深みを感じてしまう言葉。このタイトルのように自虐的な部分もあり、他者を攻撃する側面もありますが、絶望ばかりを描いているわけではなく光も見せてくれています。幼さが残るボーカルはお世辞にも上手いとは言えませんが、楽曲によって表現の幅が広く激しい時は手が付けられないくらい激しく、歌唱力とは違うベクトルの聴かせる力・エネルギーを物凄く感じます。

しんみりムードのピアノから始まる冒頭の「KITTY'S BLUES」。"キティちゃんの 白いところ 6Bで塗りつぶす"と早速不穏。"脱法ハーブ 握手会 風営法 放射能…"と各方面に喧嘩売る気満々の歌詞が詰め込まれたラップ調の「音楽を捨てよ、そして音楽へ」。"音楽は魔法ではない"と言うものの最後に"でも音楽は"とそこに続く言葉こそないが希望を覗かせる。まあ言いたいことはタイトル通りと考えればいいと思うのですが。"脱法ハーブ"で最近思い当たる節があったが、案の定その件で一悶着あったらしい。なにやってんだか(笑)guest:悪口なんて表記も初見ですね。「新宿」は可愛らしいエレクトロポップ。と言いたいところですが、彼女の場合逆にこういう曲の方が何が出てくるのか分からなくて怖い。カントリー調の「ハンドメイドホーム」はメロディーが純粋に好きです。今作では割りと明るいテーマの曲なのでは。しかし次の「あたし天使の堪忍袋」ですぐにダークサイドに堕ちる。これもメロディーが強く印象に残りました。最後の"ギター"っていうところがなんか可愛い。私大丈夫かしら。「夏果て」は殺人事件がベースになっているおぞましい曲。詞がエグ過ぎて詞の内容通り本当に涼しさを感じてしまうがこの不安定感に安心する。どういうことだ。彼女の故郷愛媛の松山港が出てくる「鮪漁船のうた」はネタ曲なんじゃないかと思うくらいベタな歌謡曲チックで笑ってしまった。「背中のジッパー」は唯一他の方が作った曲で、曲構成が最もノーマル。ただ違和感はないですね。これ以降はアレンジもシンプルになりどんどん深いところにおちていく。終盤の捲し立てが圧巻の「最終公演」。通常の恋愛詞とは一線を画すがストレートな愛の歌「I love you」。タイトルとはイメージが違った「歌謡曲」は"踊ろう"に集約されると思いますが、サカナクションもそんな感じのこと言ってたような。結局音楽家の一つの目標ってそこなのかもと思ったり。活動の拠点でもある「高円寺」は同世代の平賀さち枝の「高円寺にて」と聴き比べるとまた面白いかもしれません。まどろんだ雰囲気の「秘めごと」から、ラストの「魔法が使えないなら」は上述の「音楽を捨てよ~」とリンクしているリード曲。これまためちゃくちゃな歌詞が詰め込まれていて面白い。YOUTUBEや違法ダウンロードもシニカルに交えつつ、やっぱりわずかながら"光"のある締め方をしています。

簡単に言うと、可愛いのか可愛くないのかちょっと近寄りがたい"コワカワイイ"な雰囲気がある彼女。どう考えても好き嫌いは出やすいタイプで時事ネタも混ぜるので無意味に敵を作る可能性も高いですが、そういうのも含めて本人はウェルカムな境地に達しているようにも見えます。きれいごとでは済まない自分を取り巻く世の中を思いっ切りきたなく歌っている様はある意味で爽快。今後の活動そしておっぱいにも注目です。

★★★★★




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