ペンデュラ ペンデュラの自主制作盤

男女5人組バンド、ペンデュラ ペンデュラの自主制作盤。
絶賛発芽中のバンド、スプラウト スプラウトの前身のバンドです。現在、世界に25枚しかないと言われる超レア盤です。
でも…
5曲中4曲がフルで聴けます!
「パラメータ・パラメータ」は同じ単語を並べた本バンドの名前に則した名刺代わりの一曲。SF的な言葉遊びを交えた歌詞にテンポの良い展開がワクワクする。間奏がいちいちカッコいい。ボーカルをエフェクトで曇らせた結果、サビが清涼感2倍増しに聴こえるあたりも上手い。サビの歌詞が切ないなあ。
「レトロユニバース」は歌い出しの爽やかなメロディーから凄く好き。ノスタルジーで安心感のある節回し。ピアノリフがミニマルになってからのサビ前の展開がテクニカルで気が抜けない。物凄い音の重ね方をしているのに全く無理がなくてスルッとサビへ行くのが憎いね。そしてサビは一段と爽やかにテンポ良い進行。歌い終わり~アウトロが気持ち良過ぎてここだけずっと聴いていたい気分になる。
「屋上のハーヴェスト」は今作で最も落ち着いた曲調。その美しさに惚れ惚れすると同時に非常に癒される。歌詞の言葉選びが実に面白い。筋が通っているわけではないのに、綺麗に聴こえる言葉の数々。特に好きなのは"星月夜 ヴィンセント 落ち穂拾いのミレエ 羊男になっていく 僕を許して"のところ。ゴッホの「星月夜」好きなので。(下はNYにて撮影したもの)

「11月の体温」は今作で最もポップ&キャッチーで清涼感が半端ない曲。何故タイアップの話が来ないのかと憤るレベル。本当にどこかで使ってほしいのだが。ファンタジックな世界が広がる歌詞が独特であり、楽曲はsupercellをも越える清々しさがある思う。ラストの"もう、いいかい まだだよ"が泣けてきます。
「subaru」は現時点でSoundCloudに公開されていない8分強の大曲。これもぜひ多くの方に聴いて欲しい名曲なのだが、めったに聴くことはできないのかも…。夜をモチーフにした深遠な雰囲気を漂わせた曲であり、なぜか歌詞カードが存在しない。中盤からスケールの大きい展開になっていく様がとてつもない。このバンドは何か特有の危うさを秘めていると感じていたのだが、それをせき止めていたものが一気に決壊したかのようでカタルシスを感じずにはいられなかった。聴き終えた後、心ここにあらずな状態になるくらいに作品に没頭していたことに気づく。
2014年上半期も様々な新しい音楽と出会いましたが、その中でも最大のインパクトがあったのは彼らではないかと思います。バンド紹介記事を機に入手困難なCDをファンの方から譲って頂きました。ごろうさんには感謝してもしきれません。家宝にします
レア盤にしてしまうのはどう考えてももったいない名盤です。どこを切っても琴線に触れるキャッチーなメロディー。瑞々しく芯のあるボーカルまめさんの歌声。発想豊かなバンドアレンジ。ファンタジックかつセンチメンタルでユニークな言葉の数々。アニソン的とも言える清純派なポップスの香りを漂わせながら、演奏は緻密かつ繊細であり一筋縄ではいかない技量の高さがあります。同じ展開は二度と訪れないアシンメトリーな楽曲構成を基本としていますが、一聴して耳に馴染む、それでいて聴けば聴くほど奥の深さを感じます。大事なことなので何度でも書きますが、本当にこのボーカルが好き過ぎて癒されるのですよ。好き過ぎます。「subaru」という不気味な魅力を放っている名曲をラストに据えたことで、余計に何度も聴きたいと思えてくる作品です。再発希望!
★★★★★
ディスクにはベースのハシモトさんが描いてありました。下のはエフェクターですね。

※追記
いろいろコメント頂きました!ありがとうございます!
http://t.co/kNvyD60HLK
こちらのブログでペンデュラ・ペンデュラの懐かし音源をレビューしてくれてます!
一曲、一曲、丁寧な解説と感想が書かれています。
@hawaiibem さん、ありがとうございます٩꒰ ´ᆺ`꒱۶
— まめ (@moyashimame) 2014, 7月 17
@tinker566 @hawaiibem ぼくも読みましたよー。嬉しかったです。
— キテ (@notata_kite) 2014, 7月 17
宿題終わったので風呂→祝杯といきたかったけどハワイベムさんのブログが素晴らしすぎて泣きそうだしどうしよう >RT RT
— tinker56 (@tinker566) 2014, 7月 16
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コメント
hawaiibem様 こんにちは
自主盤レビューとは(自分のところでもやりましたが)マニアックな・・・
音楽ファンの繋がりが感じられる
ほのぼのとする入手経緯がいいですね。
展開が目まぐるしいエレクトロ+ラップ、という感じで
アニソン的、という解説が頷けるものですが
音楽活動初期らしく色々試行錯誤していて
楽しいアルバムでした。
今後、彼らが支持を得ていけばきっと再発されると思います。
自主盤レビューとは(自分のところでもやりましたが)マニアックな・・・
音楽ファンの繋がりが感じられる
ほのぼのとする入手経緯がいいですね。
展開が目まぐるしいエレクトロ+ラップ、という感じで
アニソン的、という解説が頷けるものですが
音楽活動初期らしく色々試行錯誤していて
楽しいアルバムでした。
今後、彼らが支持を得ていけばきっと再発されると思います。
URL | GAOHEWGII #-
2014/07/20 16:02 * edit *
Re: タイトルなし
>GAOHEWGIIさん私信みたいなレビューですがコメントありがとうございます。
偶然の出会いとは言え、ビビッとくるバンドに出会うことができました。
ラップの要素ってそんなにありますかね?語呂が良い言葉がよく並んでいますが。
再販については本人に直談判しているところです(笑)
URL | hawaiibem #-
2014/07/20 20:32 * edit *
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