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気になる邦楽アルバムを中心に音楽レビューをしていました。

 

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おしゃれテレビ「おしゃれテレビ」 

おしゃれTV
おしゃれテレビ「おしゃれテレビ」
作曲家の野見祐二によるユニット、おしゃれテレビの1986年リリースのアルバム。
レビュー150記事目記念ということで少々変わり種を紹介。パスピエのKey.成田ハネダが影響を受けた音楽としてよく名前を挙げる作品であり、80年代の摩訶不思議な魅力をもつテクノポップが凝縮された一枚となっています。

「恋のテロリストNo.1(ケイちゃんののってけミサイル)」は中華風でシンセのノリの良いイントロから始まる。ちょっと幼い感じの女性ボーカルは吉永敬子さん。タイトルにある『ケイちゃん』とはこの人のことか。なんだか物騒なタイトルなのだが、実際に歌詞もさりげなくおぞましいことを歌っている。テロリストの仕事として"大統領暗殺"、"軍事基地爆発"、"地球を消滅"ととんでもない展開に。恐ろしいことを言っているのにほとんど表情を変えないシュールな歌い方が、このアルバムの20年後に現れる相対性理論を想起させる。

「踊るクエン酸回路」は8分半ある組曲風の曲。非常に怪しいタイトルだが、まさにその予感は的中してしまう迷曲。冒頭は料理のメニューを歌詞としてクラシカルな雰囲気で進んでいく。問題はそこからだ。いきなり"アミラーゼ"だの"加水分解"だの理系ワードが連発する。どうやら食べたものを消化していく過程を歌にしてしまったらしい。尋常ではない発想。そしてやけに詳しい説明。組曲なので曲調も様変わりしていくのだが、妙にオシャレなところもあって侮れない。しかし歌詞は"クエン酸"とか"活性酢酸"のような用語のみで、これと言ってオチもない。これをシュールと呼ばずして何と呼ぶのか。

「真昼の星」はおそらく一番まともな曲。催眠術にでもかけられそうなキラキラしたアレンジがクセになる。地味に終末思想っぽい歌が主張の弱いボーカルから聞こえてくる。あまり深く聴かない方がいいのかもしれない。

「Music Bomb Start!(音楽爆弾)」はインストと言っていいと思うのだが、趣向が凝っていて面白い。"音楽爆弾"というメカを起動するところから曲は始まるのだが、各年代の世界各国の音楽を再生してそれらを織り重ねていくというテーマになっている。爆弾の機械的な音声も相まってカオスの様相を呈する終盤。そして爆弾なので当然最後は…

「アジアの恋」はオリエンタルで幻想的な雰囲気を持った曲。これは名曲。1曲目でも歌った吉永さんが再び登場。叙情性も兼ね備えたオリエンタルテクノポップとして、YMOに比肩する出来だと思う。ノスタルジックな空気もあるね。まさにパスピエの音楽の原点はここにあったことがよく分かる。

坂本龍一も認めた才能。作曲家の名前を見てもピンと来ない方が多いと思いますが、実はアニメ「耳をすませば」、「猫の恩返し」、「日常」等で曲を書いている人なのです。2010年代の音楽シーンの特徴として、80年代サブカルチャーへの回帰がキーワードとしてあるようですが、このアルバムはそうしたサブカルっぽさを帯びた作品としては20年以上も先を走っていたのではないかと思います。はっきり言って変な曲ばかりなのですが、こんな先人がいたのかと聴いた当初は非常に驚きました。今聴いてもアバンギャルドぶりが凄い。万人受けは端から期待できないが、一風変わった作風が好きな方は是非。

★★★★


坂本氏は「FREE TRADING」という曲でこの曲をカバーしています。


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