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気になる邦楽アルバムを中心に音楽レビューをしていました。

 

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sasakure.UK「トンデモ未来空奏図」 

トンデモ未来空奏図
sasakure.UK「トンデモ未来空奏図」
福島出身のVOCALOIDプロデューサー、sasakure.UKのメジャー3rd。
以前レビューしたトーマの記事が意外と読まれているので、調子に乗ってまたボカロです。チップチューン系の打ち込みや転調、変拍子を多分に駆使し、緻密な構成をとりながら温もりがあり優しくも儚い世界観のある音楽を作るプロデューサーです。VOCALOID界の音楽ジャンルの幅も非常に広がりを見せていますが、ボカロならではの音楽と言う意味ではまさにトップランナー的な存在ではないでしょうか。

「HeavenZ-ÅrmZ」は幻想的で疾走感もある曲。お堅い単語が並ぶ歌詞の掴みどころが分からないが、人間では普通そうは行かないだろうという音の運びを楽しむのが、やっぱり醍醐味ですね。
「トゥイー・ボックスの人形劇場」はいわゆる"おもちゃ箱ひっくり返し"ソング。可愛いらしいキャッチーな曲だが歌詞にはシニカルな部分も随所に見られる。"ミサイルなんて向けないで頂戴"って。
「Mr. Wonderland」は近未来的要素が特に強く、ロボット的な主人公が描かれている。ピリオというのが何者かよく分からないが、機械的ないい声です。

「蜘蛛糸モノポリー」は今作で一番好きな曲。間の取り方が上品で音数で勝負しない、いわゆる引き算が上手い曲。一気に引き込まれるサビの展開も秀逸。間奏の人力では無理なんじゃないかという変態的なピアノアレンジも良い。"蜘蛛の糸"をモチーフにした深みのある詞はまあ気にする人は気にしてもらって構わないが、とにかく音の配置に注目して聴いてもらいたい作品。

「ツギハギエデン」はタイトルに則したツギハギなボーカルに始まり、人類の歩みに対する普遍的な疑問を投げかける曲。じわじわくる。GUMIの声はボカロの中で一番好きかも。中の人の声がもともと好きだからか。
「クエスチョンユー100」はたくさんの疑問符の応酬。畳み掛けるような言葉の数々が心地よい響き。
そしてインスト曲。今作では全曲の3分の1である5曲が収録されているが、いずれもアルバムの流れに起伏を生み、次の曲への期待感をもたらす欠かせない存在となっている。全体的にピコピコしているので、こういうクッションがあると一曲ごとが流されずに済む気がする。曲単体で個人的に好きなのは「ホログラムの片隅で」ですかね。ラストの「Atröpøs」も様々な音が四方八方に飛び交っていて面白い。

VOCALOIDが元来持っている近未来感を音楽として上手く昇華した好例。単に初音ミクのキャラクターソングに終始しない"VOCALOIDがいる世界"を見事に演出しています。圧倒的な存在感のあるキラーチューンは少ないのかもしれないが、全体的に統一感があって完成度が高い。1曲ごとの出来はもちろん良いがアルバム全体を通して聴くことでさらに楽しめる。ボカロに関して機械的な声が嫌いだと言う方も少なくはないでしょうが、完全にインストものと割り切って聴いても無理がないタイプだと思います。やはりインスト畑の人は彼女たちの使い方が巧みですね。
今作、ましてや音楽に限った話ではないが、未来世界を描く作品というのは夢や想像が膨らむ明るいものも多いが、「科学の進歩は人間を豊かにしたのか」とか「人間にとっての幸せとは一体何なのか」とか深い哲学思想に浸るようなものも結構ある。私もそういう思考を巡らすことはあるのですが、もはや仙人にならざるを得ないと思い始めて危険なので、やり過ぎないようにしている。今作もそういう作品の影響を大きく受けたものになっていますが、現代社会における恋愛とか義理人情とはまた趣きの違う感動を教えてくれる作品ではないかと思います。

★★★★




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