気になる検索ワード【2015年9月編】
今月は地獄を見ました。


パスピエ「娑婆ラバ」

パスピエ「娑婆ラバ」
2009年結成の男女5人組ポップバンド、パスピエの3rdフル。
なんて素敵なジャパネスク。
年1枚のリリースペースを守り続けている彼らの通算5枚目となるアルバム。初のタイアップシングルのリリースを経て、武道館でのライブも控えているということもあり、アルバムのリリースは必須だったのかと思いますが、相も変わらずクオリティーの高い作品になっています。
気になるのはより『素』を見せてきているという点。「手加減の無い未来」、「贅沢ないいわけ」、「素顔」と実直なメッセージが連なった曲がそれぞれアルバムの要として配置されており、覆面バンドとしての側面も持っていた彼らが一つ殻を破った瞬間を垣間見たような気がします。もともと彼らの楽曲にあったJ-POPのど真ん中に置いても遜色ないキャッチーさと実勢が伴ってきたことも影響するのでしょうか。また、「術中ハック」、「ハレとケ」、「つくり囃子」といった和風ニューウェーブなクセのある曲が健在だったのも頼もしい限り。リード曲となっている「つくり囃子」はサビメロに感じる微かなセンチメンタルさにらしさがあって良好。「ギブとテイク」も短いながら躍動感のある曲で今作においては割と新しいアプローチだったかも。
コンセプトとしては、前作の「幕の内ISM」とオーバーラップしているような和洋折衷なJ-POP+ロックといった具合。作品を作り急いだ感は拭えず、インパクトも若干弱く感じましたが、ディスコグラフィーを丁寧になぞるような均整のとれた構成になっているかと思います。安定期に突入しましたかね。
★★★★★
無音で見たら結構怖いよ。
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