フレデリック「OWARASE NIGHT」

フレデリック「OWARASE NIGHT」
神戸出身の男性4人組ロックバンド、フレデリックの2ndミニ。
リピートが終わらせられNIGHT。
「oddloop」ですっかり中毒になってしまったバンドですが、さらに中毒症状が深刻化しました。
前作の「オドループ」を意識した作りのリード曲「オワラセナイト」はエモさがプラスされて不思議と終盤はカッコよく感じました。"踊る"がテーマの「DNAです」もサビのキャッチーさとマイナー調の後引く感じがグッド。"シャンデリラ"と"シンデレラ"を足しただけのお手軽タイトルの「シャンデレラ」は、切なさを漂わせた歌謡曲っぽいサビとシティポップな演奏の組み合わせが、変な歌詞が気にならないレベルの出来でこれまた良いです。
シンプルな構成の「どうにもこうにも」はやるせなさを感じさせますが、実に耳に残る作りになっているなあと感心。某有名曲のオマージュ?な「セーターを脱がさないで」は歌詞はしょうもないですが、アレンジが地味にカッコいいです。相対性理論初期を思わせるリフの「愛の迷惑」もテンポ良しメロディー良しな曲で隙がありません。「さよならカーテン」は"最終列車"の情景。センチな雰囲気ですが、しっかりダンサンブルに作りこまれています。
幅広さよりも統一感の方が強調された作品。非常にテンポの良い構成なので、いつの間にか1周してまた最初から聴いてしまいます。少々緩めのダンスロックを基調に、1曲ごとに決まったワンフレーズを多用する構成をとっているのが特徴。音楽的には若者ならではの切迫感や焦燥感というものが皆無…に見えるのですが、より実直さを増した歌詞には彼らなりの葛藤も透けて見えてきます。メロディーにもセンチメンタルなフレーズが多く、アレンジも意外ときめ細かく作り上げているので、一層好きになりました。ノスタルジックと人懐っこさから古き良き日本の音楽、日本のバンドを思わせる部分もあると思うのですが、あまりにも毒され過ぎですかね。
★★★★☆
お団子の娘が好きです、付き合ってください。
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