hawaiibem's music blog

気になる邦楽アルバムを中心に音楽レビューをしていました。

 

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でんぱ組.inc「WWDD」 

WWDD (通常盤)
でんぱ組.inc「WWDD」
秋葉原を中心に活動する女性アイドルグループ、でんぱ組.incの3rd。
盆と正月とハロウィンとクリスマスが一緒に来たような華やかさ。

とにかく、てんこ盛りな一枚。バラエティ豊かと言えばそれまでですが、電波ソング的なアクの強いハイテンポ曲から清涼感のあるアイドルポップスまで、比較的胃もたれしにくいバランスの良さがありました。

シングル曲として特にキャラが濃いのは「でんぱーりーナイト」、「ちゅるりちゅるりら」、「バリ3共和国」。メルヘンなミュージカル風の「でんぱーりーナイト」は実質1曲目にありながら、早くも大団円的な盛り上げ方をしています。「ちゅるりちゅるりら」はBPMがべらぼうに高いヒャダイン曲であり、まさに敵を斬って斬って斬りまくる無双状態。「バリ3共和国」は『2.5次元』な割と正統派なキャラクターソングといったイメージ。いずれの曲も目まぐるしい展開ですが、モチーフが分かりやすいため、置いてけぼりを食らわずに済んでいます。

シングル関連では、滝清人…じゃない清竜人の「まもなく、でんぱ組.incが離陸致します♡」、「Dear☆Stageへようこそ♡」がキュートなアイドルソングとして中盤に良い流れを生んでいます。「まもなく~」はアリスSOSを思い起こさせ、「Dear☆Stage~」は"ここは本当に日本なのか"という迷言まで飛び出す変な小芝居は不要だと思いましたが、曲自体はキラキラと明るいポップスになっていて良かったです。同じく「ファンシーほっぺ♡ウ・フ・フ」や「檸檬色」も飾り過ぎない良さがありましたね。「檸檬色」は全体的に「キラキラチューン」に似てるなと思っていたら、どちらもmeg rock作詞でしたか。

アルバム曲も個性豊か。「ダンス ダンス ダンス」はシンプルにノリが良くこれまでの楽曲以上に間口の広さを感じました。「NEO JAPONISM」は日本の昔話をモチーフとした和風エレクトロポップですが、次の展開が読みにくいプログレッシブな作り。どことなくももクロっぽい。「FD2 ~レゾンデートル大冒険~」は「Future Diver」の続編となる曲ですが、チップチューンを交えた曲調や"終わらんよ"という独特な言い回しはやっぱりツボでした。

終盤には少し装いの違う2曲があり、「ブランニューワールド」は少々センチなロックアレンジで次のステージへと進む意志を感じさせ、「イロドリセカイ」はテンポがゆったりした曲で、始まりを示しておきながら終わりの切なさを噛みしめさせるような表現がなんとも憎いですね。

ラストの「サクラあっぱれーしょん」は今作のマイベスト。2014年の再生回数トップ(おそらく)であり、彼女らの評価が格段に上がったきっかけとなった曲です。ここまで能天気に聴ける曲はそうそうないですね。オリエンタルで親しみやすいメロディーラインに根拠はなくともひたすら前を向いた歌詞が乗り、合いの手の入れ方やソロとユニゾンの分け方も上手いと思いました。本当にあっぱれとしか言いようのない出来です。

アイドルの出すアルバムにアルバムとしての秀逸な構成は端から求めていませんが、今作は流れも含めて良い作品になっていると感じました。楽曲の特徴としては、変にマイナス方向から叩き上げるような要素が薄くなり、ポジティブで外向きな内容が増えたのは、楽しませてなんぼという姿勢が見えて良い傾向。きゃりーぱみゅぱみゅのジャパネスクな側面を引き継いでいるようにも見えます。目に余るくらいの色鮮やかさ、華やかさがありながら、ひとたびセンチな雰囲気を醸し出されるとクラッと来てしまうという点でも近いものがありますね。次を見据えつつ、今の勢いの良さを明確に示すことができた一作だと思います。

★★★★☆


メンバーの名前はだいたい覚えました。




category: アルバムレビュー

tricot「A N D」 

A N D 【通常盤】
tricot「A N D」
京都出身の女性3人組ロックバンド、tricotの2ndフル。
世界を虜にする変拍子。

海外ツアー、フェスへの参加等、着実に活動範囲を広げているガールズバンド。彼女らの音楽の特徴は、不規則で展開が読みにくい『変拍子』ですが、キャッチーでつかみやすく不思議とノレる曲が多いと思います。

冒頭から突っ走る構成。『怒りのホルモン』とも呼ばれる神経伝達物質をタイトルに据えた「Noradrenaline」に始まり、文字通り走ってはときおり拍子を変えて翻弄する「走れ」、そしてシングル曲「E」と続きます。「E」はポストロック的な間と複雑なリズムにキレがあり、正規ドラマーの不在という状況をいとも簡単に克服するだけのパワーとテクニックに魅せられました。

「色の無い水槽」、「消える」、「食卓」は喪失や空虚を思わせるネガティブな歌詞が多いのですが、それを吹き飛ばすような疾走感とエモーショナル溢れる演奏が痛快でした。

今作のマイベストは中盤の「ぱい~ん A N D ver.」。ピアノの貢献度が非常に高いポストロック+ポストジャズな曲。急速にギアチェンジするサビ、インスト曲の一部を借用しているような贅沢さのある間奏と、ギターだけでは表現しきれない緻密さがふんだんに盛り込まれていて最高でした。

tricot流シティポップ?な曲調でウィスパーボイスが愛らしい「神戸ナンバー」と、庭→二羽→三羽→サンバとコミカルな言葉遊びと威勢の良さがピカイチの「庭」は今作の中でも異質な2曲でした。前者は赤い公園、後者はMAMADRIVEっぽいイメージ。このあたりのバンドとはやはり呼応する部分がありそう。

終盤も良曲ラッシュ。今作のアッパー曲の中でも最もサラッと爽快な気分を味わえる「CBG」。彼女らの曲でもスローな部類に入るアンニュイな「QFF」は長めにとられたアウトロも良い。シングル曲「Break」はラストとして清々しさを残してくれます。

1つの曲の中でも変則かつ変速な構成を取りながら冗長に感じる部分がなく、全体的にスタイリッシュにまとめ上げたなという印象。イッキュウさんのボーカルもよりパワフルになり、コーラスの使い方も上手くなっていますね。ドラマー脱退は痛手かと思っていたのですが、女子3人による本来のバンド編成に戻ったに過ぎず、ゲストドラマーによる音の違いを楽しむのも一興かと。前作「T H E」よりも聴きやすい気がするので、彼女らの作品を聴いたことない人はこちらから入ってみるのも十分ありかもしれません。

★★★★★


カッコE。


値段もお手頃ですねえ…って何だよこれ。


category: アルバムレビュー

分島花音「ツキナミ」 

ツキナミ
分島花音「ツキナミ」
2008年デビューのシンガーソングライター、分島花音の3rd。
決してツキナミではない非凡さ。

タイトルで割と損しているのではないかと思ってしまう作品。ゴスロリ系のチェリスト兼ボーカリストとしてのデビューから7年。ゴシックでメルヘンな要素が薄れて、より生活感のあるテーマで等身大の自分を表現した曲が増えています。冒頭から、シングル曲「killy killy JOKER」、リード曲「ツキナミ」とストリングスを交えた疾走感のあるロックナンバーを配置し、いわゆるアニメ声のイメージが強かったボーカルもやや大人びた印象を受けました。

ストリングス+ロックの極め付けは江口亮編曲の「world's end, girl's rondo」。開始7秒くらいでそれと分かる江口イズムが集結した曲であり、隙間なく音を敷き詰めたアレンジに一気に引き込まれます。彼の2014年の仕事の中でも屈指の出来と言えるでしょう。同じくアレンジが光っていた軽妙なジャズ歌謡「芸術家のかわいい想像たち」も好きな曲。より子の「Vant」を彷彿とさせました。

「signal」、「ナイチンゲール」といったミドルテンポの曲では、時にエモーショナル、時にセンチメンタルに揺れるボーカルの表現力の向上が見られました。キュートさを売りにした曲もちらほらあり、"残業"や"終電"というワードが出てくるとは思わなかったEDM「さんすくみ」、ストリングスとパーカッションというオーガニックで優しい雰囲気の「チョコレート」、ミュージカル風で構成がややプログレッシブな「ファールプレーにくらり」あたりは面白いアプローチでした。

アルバムタイトルの「ツキナミ」が意味するところは、もちろん『月並み』からなのですが、それ以外に『心臓と脳』というテーマも含んでいるとのこと(漢字に月が含まれているため)。直情的な表現と理性的で計算された表現が合わさっていると言えばいいでしょうか。籠の中の鳥のようなお嬢様的ポジションから枷が外れたというか、振り切れた部分が多々あり、今まで眠っていたポテンシャルが見事に引き出された感じがします。アニソン系SSWとして一時期存在すら忘れかけていたのですが、一気に巻き返してきたのは嬉しい誤算でしたね。

★★★★☆


ゴシックではないけど、ロリータの部分は残しているといった感じ。




category: アルバムレビュー

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