気になる検索ワード【2015年1月編】
ごくごく局地的に好評を博している当記事ですが、今年も引き続き書くことにしました。
『一年の計は元旦にあり』ということで、まずは元日の検索ワードを見てみましょう。
『一年の計は元旦にあり』ということで、まずは元日の検索ワードを見てみましょう。
ヒトリエ「WONDER and WONDER」

ヒトリエ「WONDER and WONDER」
VOCALOIDプロデューサーのwowakaを中心に結成された男性4人組ロックバンド、ヒトリエの1stフル。
キリキリマイの不思議世界。
「終着点」は、リズミカルだが歌モノとしては違和感のあるメロディーに言葉を当て嵌めて、サビではハイトーン&ハイテンポで突き抜ける得意の展開。序盤のAメロでだいぶタメを作っている。
「インパーフェクション」は、サイレンのようなキャッチーなリフで、"絶望"だの"最低"だのと葛藤と混沌を跳ね除けた逃避ぶりが窺える曲。
「N/A」はタイトルの意味通り否定文が散りばめられた曲だが、二重否定によるポジティブさも垣間見せる。なぜかゆっくりに感じるテンポ。
「5カウントハロー」は中毒性の高いリフに始まり、音を削ぎ落としながらも確実に印象に残るアンサンブルを構築している。歌詞の内容的に、THE ORAL CIGARETTESの「嫌い」と聴き比べるのも一興かと。
「ピューパ・シネマ」はセカイ系のミドルテンポ曲。少しコミカルなリフと妙な音の飛び方をするメロディーがクセになる。
「癖」はRADのとある曲を思い出させるしっとりセンチメンタル系。シンプルだが哀愁があって好きな曲。
「NONSENSE」は熟語を詰め込んで情報量の多い様がいかにも彼ららしい曲。テーマとしては一曲目と大差ない気がするが。四つ打ちではない複雑なリズムを刻んでいる。
「ボートマン」は四つ打ちの使いどころが面白いと感じた曲。なるほどそこだけ使うのかー。
「なぜなぜ」は疑問文のオンパレード。この曲に限らずやたら自問自答してるよな、この人。
「我楽多遊び」はオノマトペのオンパレード。語感勝負って感じだね。
「ゴーストロール」は熟語の並びが漢字のテストかお経みたいだなと感じた曲。無機質なAメロからサビに進むにつれて有機的で人間臭い歌に変わっていく構成は面白い。躍動的なドラムも良い感じ。
「センスレス・ワンダー」は月間マイベスト1にも選んだ曲。イントロからアグレッシブで手数がやたら多い構成。ハイトーンで攻め立てるサビが魅力。
『高速四つ打ち』の極地に立つバンドの初のフルアルバム。印象的なリフを軸にしたスピード感のある楽曲が中心ではありますが、その限りではない指向の曲も入りこみ、密度の高い作品に仕上がっています。濃密な構成であるのに、心にぽっかり穴が開いたような空虚さや切なさも不思議と孕んでいるのが良いですね。単に速くてスカッとするだけではない、複雑な心象風景をアウトプットした曲からは、VOCALOID時代の『現実逃避P』という異名があった頃のエスケーピズムの観念も感じさせます。意外とフィジカルに渋い演奏が出来るところも随所に見られ、バンドとしての自立が確固としたものになったのも良かったと思います。
★★★★☆
4時間半撮影→映像としては3分にしかならない。ファッ!?
ナナカラット「リインカクラウド」

ナナカラット「リインカクラウド」
2007年結成の男女2人組バンド、ナナカラットのメジャー1st。
七色に輝くオールラウンダー。
語りから導入される「僕が創った世界地図」は、アニソン・ゲーソン的なワクワク感が得られる。ストリングスの疾走感のあるサビが気持ち良い。内輪な世界観を持っている人かと思ったが、割と誰にでも伝わるような分かりやすい言葉を選んでいて好印象だった。
「いってきます」も爽やかな曲。ほのかにしっとりとした余韻を残しているのもグッド。
「CHANCE OVER」はロックの範疇に入るナンバー。こういうアグレッシブ系もやるんだと少し意外に思った部分。
「真夜中のスピード」は"真夜中"の割にはテンポの良い明るめのポップス。星の明るさに照らし合わせているんだね。
「あした天気になあれ」はポジティブ一直線。テーマもさることながら懐かしい曲調だなあ。小学生にも薦めやすい内容。
「メガネ越しの距離」はセンチなピアノアレンジが印象的。切なさも込めているけど、面白い発想の詞だ。
「空っぽの器」は再びロックテイスト。ボーカルが粗くならず常に聴き取りやすいのは良いところもあるが物足りなさもあるな。
「輪廻」はピアノ・ストリングスメインの幻想的な曲。和風のメロディーに哀愁があり綺麗な構成だ。
「エソラゴト~見せかけの夢~」は今作のマイベスト。歌い出しのサビからテンポの良い展開に引き込まれる。曲名がそのままサビの歌詞になっているのだが、歌い切りぶりが清々しい。
「歩いてゆこう」はミドルテンポの曲調で今後も前進していく姿勢を示したラスト。
日常を物語性のある歌詞に乗せて歌うユニット。ポップスを中心に、バラード、アッパーなロックナンバーも配置した多角的な構成が魅力的でした。聴き取りやすいボーカルや歌詞の言葉選びから、いきものがかりのように子どもでも受け入れやすい内容になっています。人柄の良さをとても感じましたね。アレンジは打ち込みやシンセの音が中心でしたが、ストリングス等はオーケストラ的に生演奏も取り入れてみたらさらに迫力ある曲が作れそう。メジャーデビューまでの下積みが長かったようですが、広くウケる要素は多いので、さらなる伸びしろに期待です。
★★★★
このロケーションいいね。