hawaiibem's music blog

気になる邦楽アルバムを中心に音楽レビューをしていました。

 

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パスピエ「幕の内ISM」 

幕の内ISM (初回限定盤) (DVD付)
パスピエ「幕の内ISM」
2009年結成の男女5人組ポップバンド、パスピエの2ndフル。
2013年のマイベストアルバム「演出家出演」の感想はこちら
予想を軽々と越えてきました。お見事。

「YES/NO」はウキウキするシンセイントロが「開花前線」を想起させるノリが良くてあったかいナンバー。天真爛漫な大胡田なっちゃんのボーカルが悪戯っぽく"メリーゴーランド"の"輪"に誘い込んでくる。余談だが、SFPのラストアルバム「Prog-Roid」のラストに「Y/N」という曲がある。SFPはこれで終わり、パスピエはこれで始まるとは、何か因果を感じるが…
「トーキョーシティ・アンダーグラウンド」はどこぞのアニメかボカロを彷彿とさせるタイトルだが、序盤の核となるリード曲として繰り返し聴きたくなる良曲。単音の簡素なリフに始まり、都市における孤独やディスコミュニケーションを表現しながら、加速する世界をスピード感のあるサビで煌びやかに切なく歌っている。この曲で一番好きなのは2番終わりの間奏かな。余韻なく曲が終わることで逆に余韻が残るここまでの2曲。
「七色の少年」は瑞々しいポップロックで、J-POP然としたメロディーが青春を感じるように清々しい。意外とこういうシンプルな曲の方が、バンド演奏のダイナミックさが映えて聴こえてくるのでますます侮れない。

「あの青と青と青」はシングル曲。オリエンタルなイントロから早口のAメロに繋がる80年代テクノポップぶりが大好き。テンポを落としたサビの雄大さに意表を突かれるが、包容力のある歌い方に癒される。後半の盛り上げ方も壮大で前半のクライマックスと言えそう。
「ノルマンディー」はレトロな歌謡曲のようなムーディーで湿っぽいイントロと"ノルマンディー ノルマンディー"のフレーズが妙に耳に残る。不思議な感覚になる音だ。
「世紀末ガール」は疾走感のあるピアノロックで、キメが多いのが特徴。短い曲ながら、縦横無尽に暴れた演奏もアドリブを思い切り仕込みやすいし、ライブで化けそうだ。

「とおりゃんせ」はワンマンライブ初日に聴くことができて感動した配信曲。和風ニューウェーブなAメロで勝負あり。好き過ぎる。そして、唱歌的なサビの親しみやすさが絶大。"おお"の部分が可愛らしいのがこれまたたまらない。
「MATATABISTEP」はパスピエ meets 90'sなディスコロック。バブリーな音を上手いこと自分たちのものにしているよなあ。ノレないわけがない。大サビで和を全面に出してくる演出も憎い。
「アジアン」は比較的ストレートに軽快なバンド演奏を楽しめる曲。バリバリのオリエンタルを想像していたのに逆に不意を突かれたな。歌詞はめちゃくちゃだがキャッチーなサビは幅広く受け入れられそう。"「たぶんアジア」"という曖昧な歌詞で締めているが、アレンジには迷いが見られない。

「誰?」はパスピエ流プログレ?ズンズン突き進むメルヘンな前半から、中盤の急展開ぶりが凄い。ミュージカルでも始まったのかと思ったよ。こんなこともできるのか。
「わすれもの」はミドルテンポで落ち着いた雰囲気かと思いきや、サビでの変拍子ぶりにしてやられる。ここのボーカルの透明度の高さはピカイチ。ほんのり切なさも醸し出しているし、上手くなっているなあ。
「瞑想」も大胡田無双が続く。前作収録の「デ・ジャヴ」でまだ背伸びしているかなと思っていたボーカルが明らかにスキルアップしている。テンポの移り変わりが激しいのに無理がない構成に感服。

和を基調にバラエティ豊かな楽曲を並べた傑作。まず、アルバムタイトルが非常に秀逸だと思いました。このバンド特有の和洋折衷な感じを表現する上で、『幕の内』という単語は実に的を得ていたし、さらにそこに英語で『ISM』をくっつける言語感覚も素晴らしいです。ベタなモチーフはベタなまま素直に表現してみたり、ポップなメロディーにエグいくらいにアグレッシブな演奏を当ててみたりと、バンド全体が伸び伸びと自分たちのやりたい音楽を奏でているのがよく伝わります。本当に冗長に感じる部分が一切ない構成。特に私が気になったのはラスト3曲。派手さで言えば前半~中盤の比ではないのですが、この3曲はこのバンドのポテンシャルの高さをまざまざと見せつけられた気がしました。ボーカルの表現力しかり、アレンジの引き出し、一曲ごとの構成、全てにおいて一段とレベルが上がっていることを確信しました。前作「演出家出演」も非常に良い出来だったのですが、それを越えてくるような作品がわずか1年で生まれることに驚きを隠せません。もう完全に売れっ子になってしまったなあというある種の寂しさも感じるくらいですが、彼らの躍進はまだまだ始まったばかり。多くのJ-POPリスナーに楽しんでもらいたい一作です。

★★★★★


デジハリ大って実在したんですね。


見えた!(2:00)


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