2014年上半期 アルバムマイベスト
年間マイベストで紹介するかもしれないアルバムを20枚ピックアップしてみました。
対象は2013年12月~2014年11月にリリースされたオリジナルアルバムです。
まだ聴けていなくて載せていないだけの作品もあると思いますが、気になる作品があればチェックしてみてください。
ジャケットをクリックするとレビューに飛びます。
対象は2013年12月~2014年11月にリリースされたオリジナルアルバムです。
まだ聴けていなくて載せていないだけの作品もあると思いますが、気になる作品があればチェックしてみてください。
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テスラは泣かない。「TESLA doesn’t know how to cry.」

テスラは泣かない。「TESLA doesn’t know how to cry.」
鹿児島出身の男女4人組ロックバンド、テスラは泣かない。のメジャー1st。
前作「Anderson」の感想はこちら。
これまでの集大成、そして始まりを示した名盤です。
「Cry Cry Cry」はリード曲。得意のピアノリフからエモーショナルなバンドアンサンブルが全力で繰り出される。胎児の泣き声をイメージしたキーボードの飯野さんのシャウトも熱い。
「Lie to myself」はシングル曲。『自分に嘘をつけ』という一風変わったタイトルで、一見理知的でありながらスポ根的な力強さのあるメッセージが特徴。メジャーでもその魅力を十分発揮したカッコいい2曲が続く。
「my world is not yours」は3回目の収録だと思われるが、クセになるピアノリフに始まり好きな曲だわ。これまで以上に演奏に余裕を感じるが。
「fuga」も独特なフレーズの応酬で、ベースラインだけ追い続けてもノレる曲。割りとミニマルなんだけど何度聴いても飽きない展開の面白さ。
「めんどくせえ」は男女デュエット曲。飯野さんどんどんボーカル参加しているね。良い傾向。曲のテーマもデュエットにふさわしい男女関係を示していて、今までよりストレートに伝わったような。
「Arc」は今作唯一と言ってもいいくらいボリューム控えめなミドルテンポの曲。タイトル表記が変わったのだが既発曲。音により迫力が出てボリュームも増しているね。
「cold girl lost fiction」も「Arc」と同時期に発表された曲。抑えめな歌い出しから一気に派手な展開に弾けるところが最高。
「パルモア」は最初の自主制作盤に収録されていた曲。ボカロ絡みで一部で話題にもなっていたような。改めて最近の曲と比べると歌詞が尖っているなあ。音がさらにカッコよくなっている。
「シャドウ」はギターイントロで始まるのが意外と珍しいなと思った。疾走感とノリが良くてライブで手拍子しているのを妄想した。
「Someday」はいきなり混声で高らかに歌いだす熱気のあるラスト曲。人は『いつか』死ぬという意味が込められたテーマで、今をどう生きるかを力強く歌っている。生で始まり死で終わるという構成は、医学の道を志していたメンバーもいる彼ららしい。スリリングでドラマチックな展開で、終盤は村上さんの語りも入る。テスラ史上最高に熱い曲じゃないか。凄え!
インディーズ時代の曲の新録5曲+メジャー進出後の新曲5曲の構成。理性と感性のバランスが秀でたこのバンドの醍醐味を1枚に凝縮しています。サウンドプロデュースには前作同様クラムボンのミトさんが携わっており、新録の過去曲も新鮮な気分で聴くことができました。新曲の方は1つくらい大人しいあるいは変則的な曲が入ると思っていたのですが、『マグマロック』と称した彼らの代表的なスタイルであるスピード感のある熱い曲ばかりでしたね。5曲ともそうだったのですが、女性ボーカルを織り交ぜるスタイルは今後も定着するのかな。過去曲に全く引けを取らない秀作揃いでひたすらカッコいいです。全力を出し切りましたね。好きな曲は他にもありますが、名刺代わりのベスト盤と言って間違いないでしょう。非常に良い滑り出しを見せてくれました。
★★★★★
初回生産限定盤のDVDに収録のライブの様子はこちらで報告済み。
KEYTALK「OVERTONE」

KEYTALK「OVERTONE」
2009年結成の男性4人組ロックバンド、KEYTALKのメジャー1st。
前作「ONE SHOT WONDER」の感想はこちら。
キャッチー・オブ・ザ・イヤー2014ノミネート作品。(そんな賞はありません)
「バミューダアンドロメダ」はキャッチーで切なさも滲ませるイントロからスタート。"バミューダでアンドロメダ"とか歌い終わりの意味不明さはさておき、この曲からずっと勢いを止めずに突き進んでいく。
「コースター」はメジャー1stシングル曲。メジャーに来ていきなりだが、余裕すら感じさせる陽気で軽快な曲調。ツインボーカルを活かしたサビの繰り返しが印象的。
「MURASAKI」はリード曲。切ない恋愛模様を"赤と青が重なる"と洒落た歌詞で表現している。哀愁のあるメロディーがたまらない。ここまでの3曲は首藤さん作曲。このバンドらしい明快なメロディーラインが特徴だね。
「BEAM」で作曲が小野さんに変わる。展開がやや複雑でここまでの流れと趣きが明らかに異なる。この人の曲はバンドのテクニックの高さを示す上で一番分かりやすい。
「はじまりの扉」もフレーズ単位で良いメロディーを選んでいる感じでついて行くのが若干しんどいが、ポップなサビが爽やかなのでまあ良し。
「お祭りセンセーション」は巨匠こと寺中さん作曲。曲の作り方は一番ベタだが、全員で声を合わせてみたりと有無を言わさぬストレートぶりが熱くて気持ち良い。
「パラレル」はシングル曲。「コースター」でオシャレ路線を打ち出したかと思ったが、こちらはアグレッシブな展開。安定感半端ないっす。
「メロディ」は巨匠の甘く優しいボーカルに聴き惚れるスローめな曲。今作で唯一4分を越えている。
「Siesta」はthe cabsを彷彿とさせる首藤さんソロ曲。幸福感のあるサウンドにメリーゴーランドを思い浮かべた。
「シンドローム」は歌謡曲的な節回しの歌い出しから、サビは熱気のあるコーラスでひたすら"WOW"。
「YGB」はドラムの八木さん初の作曲。前曲から切れ目なく突っ走る最速テンポの曲。ここの流れ熱過ぎるよ。
「雨のち。夏、」は懐かしさ漂う軽快ポップな巨匠曲。巨匠はいい意味でセンスが古いのが特徴か。それにしてもこのタイトルは句読点合っているのか?
「プルオーバー」 は「コースター」に近いオシャレな雰囲気がある曲。これは女子ウケもよさそう。
シングル2本を経てのメジャー初作。前作の「ONE SHOT WONDER」で少々感じていた中途半端さはなく、彼ららしいハイテンポで人懐っこいメロディーが怒涛のように流れていきます。13曲で43分強とコンパクトな内容ながら密度は濃く、イントロからグイグイ引っ張っていく曲が多かったのが好印象の要因かも。ハイテンポで打ち込み主体の曲がゴリ押しかという程に散りばめられていますが、爽やかで胃もたれしないのが強みですね。上で少し触れてみましたが、メンバー各人の作曲の違いと共通項に注目してみるのも面白いかと思います。ボーカルの首藤さんの曲が一番このバンドを象徴しているわけですが、小野さんのテクニックもしっかり魅せる曲にもこのバンドのポテンシャルの高さを感じるので、シングル化するとかどんどん表に出してもいいのではと思います。「消えていくよ 」、「トラベリング」の時から光るものがありましたが、そこから華のあるバンドへと成長していると感じました。まだまだ勢いは止まりそうにないですね。
★★★★★
いつになくクールなMV