hawaiibem's music blog

気になる邦楽アルバムを中心に音楽レビューをしていました。

 

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おおたえみり「ルネッサンス」 

ルネッサンス (MINI ALBUM)
おおたえみり「ルネッサンス」
兵庫出身の女性シンガーソングライター、おおたえみりの1stミニ。
完全なるニュータイプの出現。もはや筆舌に尽くしがたいマイワールドを構築する天才肌のSSWだと思います。

「月のレヴェル」はリード曲。赤い公園の津野と藤本、女王蜂のルリちゃんが演奏およびMVに参加している。この両バンドも相当な曲者だよね。フリージャズテイストのアレンジだが、ベースやギターもカオスに混ざってくる。ちょっとおとなしめのミドリみたいな雰囲気。歌詞見ないと何言っているか分かり辛い早口パートがインパクト大。"戦争反対したいけど貴方に従うからしない"といきなり話題が戦争になる超展開。戦時中だったのか。"人生なんかどうでもいい"とかなり投げやりな締め方をする。早くも揺さぶりが始まったよ。
「ぼっちはハイ」は一人ぼっちを"あぁシアワセ"と歌い上げる曲。明るい曲調に不協和音が入り混じることで、不安定感が倍増する。本当に"シアワセ"なのか、終盤はドラッグミュージック的なハイな様相を呈しており強がっているというよりイカレている。危ないです。
「舟の人」は前2曲に比べておとなしくオシャレな感じになるのだが、冒頭の一文の時点で理解できない事態に。"人生"を"高い""安い"で語っているのはまだ分かるとしよう。残りは何なのか分からない。『からだ』と読める"身体"と"体"の違いとか彼女なりのルールが存在しているようだ。何となく"身体"は肉体的、物理的なものとして存在するもので、"体"は魂、精神的なものとして使い分けているのかなと素人考えでは思うわけだが、果たして…

「踊り子」は、観客に向かって踊れと言って自ら踊っている踊り子も誰か(彼女はボスみたいな人と言っているが)から踊らされている"三重構造"であることを歌った曲。この一文で何言っているか分かります?操り人形とアプローチは同じだと解釈すればよいわけだが、"三重構造"というインタビュー時に語るような言葉を、歌詞にそっくりそのまま登場させるのは凄い個性だな。怪しげでジャジーな曲調に、同じ詞を3度ループさせるという構造にもこだわりを感じる。
「うでの毛」は"あなたのうでの毛"で"ハッピー"とか"ラッキー"と歌うフェティシズムの塊のような曲。いよいよ分からなくなってまいりました。単に"うでの毛"フェチの曲ならまだいいんだけど、所々何言っているのか理解できん。
「ルネッサンス」は今作で最もカオスな曲。整合性とかそういう概念は一切通用しない。これを理解したら完全にえみりワールドの住人と言って差し支えないだろう。ピー音が入って分からなくしている歌詞があるとか全てが謎過ぎる世界観。
「カーテン」はデビューDVDに収録されていた曲であるが、抽象的で内省的な詞が特徴。自己の葛藤であるとか、最後の"ママに相談してから"に思春期っぽい若さが見られたり、完璧に彼女の頭の中を把握することはできないが、断片的には掴みとることができる曲。長めのアウトロも後引く感じ。

天才肌、芸術家肌タイプのまさにアーティストと呼ぶにふさわしい作風。彼女が見ている世界と私のような一般人が見ている世界はまるで違うのだろうね。弾き語りシンガーの側面が強いが、音楽性は広範で未知数。歌詞も独自性が強すぎてまず他では見ることのないような文章がポンポン出てくる。そしてその言葉選びが本当に的確なのかどうかも判断できない突き放しっぷり。ただでさえ歌詞解釈苦手なのに、こんな消える魔球みたいな変化球投げられたらもう無理だわ。いわゆる『考えるな、感じろ』である。ボーカルは声質的に川本真琴を最初に想起したのだが、作風のアバンギャルドで既製のJ-POPの概念をぶち壊すという点では彼女に近い異才ぶりがある。一般的には容姿も含めてビョークと比較されることが多いみたいだが。いずれにせよ総じて万人受けするタイプではないとはっきり言ってしまうが、不思議な魅力のある存在なので、次は一体どんな音楽や言葉が飛び出すんだろうと期待してしまいますねえ。

★★★★


こんな雀荘に行くのは嫌だ。


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