hawaiibem's music blog

気になる邦楽アルバムを中心に音楽レビューをしていました。

 

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

TB: --    CM: --

サカナクション「sakanaction」 

sakanaction (初回生産限定盤CD+Blu-ray)
サカナクション「sakanaction」
北海道出身の男女5人組バンド、サカナクションの6th。
初のセルフタイトルとなった今作は、フロントマンである山口一郎を始め、彼らがこれまで以上に並々ならぬ思いで作り上げた渾身の一作だと思います。セルフタイトルの構想は前作「DocumentaLy」の時点ですでにあったと記憶していますが、今作はまさに集大成として一つの区切りとなったこと以上に、新たな一面を開花させた側面の方が実は濃く出ている作品ではないかと思います。

アルバムのテーマは"表と裏"。商業音楽として欠かせないタイアップ曲、いわば人から求められて生み出す音楽を"表"と捉えるのであれば、自分たちがリスナーに新たに提示したい、共有したい価値観を音に乗せたものが"裏"になるのでしょう。
歩く音、水の音などの「intro」から始まり、「INORI」はインスト。正確に言えばコーラスが入っているのでインストなのか区別がつけにくいが、いきなり凄いの持ってきたな、しかし。ベースはクラブミュージックですが、タイトル通り神聖な雰囲気を醸し出しています。
最終盤に持ってきても申し分ない「ミュージック」、最近のシングルでは一番のお気に入り「夜の踊り子」と贅沢な並びのシングル曲が2つ続く。
「なんてたって春」と「アルデバラン」は語感を重視した歌詞が印象的。「アルデバラン」は平たく言えば猫ソング。もともとは星の名前なんですね。
「M」は「表参道26時」を彷彿とさせる女性コーラスがサビの曲。テンポ重視で選んでいるんだと思いますが、曲順も非常に良いです。
中盤のピーク、NHKのサッカーテーマソング「Aoi」は壮大なコーラスから始まる最速曲。かっこいな、おい。スポーツ、青春、そしてサムライブルーを上手く要素として取り込んでおり、タイアップとしては恐ろしく優秀な仕事ぶりを発揮しています。
抑揚の少ない2番の展開に引き込まれる「ボイル」からソフトランディングが始まっていきます。歌詞では"ライズ"していますが。サカナクション流アンビエントみたいな「映画」でも"上行く日々"と共通項が連続しますね。
シングル曲「僕と花」。この並びで聴くとめちゃくちゃキャッチーだなと改めて思いました。この曲はMVが好きでよく観ましたね。ダンスパフォーマーのホナガヨウコさん、この人が出演しているMVは当たりが多いので今後要注目です。
「mellow」は今作中では最も地味な部類の曲。ラストに近づいていくどろーんとした感じ。
イントロの音の目新しさに惹かれたインスト曲「ストラクチャー」。インスト2本持ってきたのは歌モノへのアンチテーゼか。特に今作は歌詞がいい意味で簡素な曲が多く、受け手側に大きく余白を与えてくれてるような気がします。
ラストは爽やかな「朝の歌」。壮大に締め括るのかと思いきやゆったり終わっちゃった。このあたりが"裏"に即した部分なのでしょうか。最初はあれっと思いましたが、「Aoi」以後の流れから言えば実に無理なくきれいな着地を決めていると思います。

今作がバンドとしての一つの区切りであることは間違いないですが、全体的に温かさや前向きさがこれまでの作品より多く込められており、新たな出発点を迎えたことも同時に感じられます。"表と裏"という思想は売れてきたアーティストの多くがおそらく持っていることであり、別段珍しいことではない。ただ彼らは、というより山口氏はこの裏表の見せ方、大まかに言えばセルフプロデュース力に特に秀でてた人物であると思います。いい音楽を作れば売れるという構造が必ずしも成立していないのが今の音楽業界の実情であり、この構造が真に確立する日はおそらく来ないでしょう。その中で自分たちの立ち位置を明確にしメディアとも上手く付き合っている彼の戦略は、今の音楽シーンではある意味異質にも見えるのですが、ここ数年ではなかなか出てきていない本当に息の長いバンドへの布石を着実に打っているように感じます。

★★★★★




スポンサーサイト

category: アルバムレビュー

このブログについて

最新記事

カレンダー

カテゴリ

リンク

アクセス数 since 2014.1.12

つぶやき

最新コメント

月別アーカイブ

ブログ内検索

にほんブログ村

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。